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チャン・ドンゴン主演映画『泣く男』、イ・ジョンボム監督来日会見!

韓国のみならず、日本でも大ヒットとなった映画『アジョシ』のイ・ジョンボム監督が、最新作『泣く男』を引っさげ来日。日本公開を記念して8月27日、都内にて記者会見を行った。

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本作で主演のチャン・ドンゴンが演じるのは、罪を背負いながら任務に身を投じる孤独な殺し屋。ウォンビンが演じた『アジョシ』が感情を殺した“ぶれない男”なら、『泣く男』のチャン・ドンゴンは心の葛藤に揺れ動く”ぶれる男”。ハードなアクションとともに、その悲痛な心情を繊細に演じきっている。

長編映画としては、2006年の『熱血男児』、2010年の『アジョシ』に続く “ザ・男”の3作目ともいえるが、『泣く男』の構想は15年前から考えていたというジョンボム監督。「『アジョシ』を撮り終えて考えてみたら、私の映画は全て男が泣いて終わる作品ばかり。この作品で、男が泣いて終わるのは最後にしようと思いました。そして、母性に関する話、表向きはとても強い男だが、心の中にはか弱くてもろい部分がある人物を描いてみたいと思ったんです」と作品に臨むきっかけを明かした。

作品のテーマは、「内面が成長していく男」。「映画を楽しむためにアクションも取り入れていますが、一番強く打ち出したかったのは、やはり内面の成長ですね。映画が終わって、すぐに忘れてしまう単なるアクション映画を観たというのではなく、観客が色々なカラーを感じ、良い思いを持って映画館を出られるような作品にしたいという願いがありました」と、熱い思いを吐露。

今回、そんな難しい役にチャン・ドンゴンを起用した理由を、「40歳を越えた中年という年齢の俳優が必要だった。チャン・ドンゴンさんも歳を重ね、実生活においても家庭があり子供もいらっしゃるので、ゴンというキャラクターを理解してもらえると思いました。素晴らしいルックスと繊細な感情表現が、とても良かったと思います。とても複雑な心理構造を持っているゴンを見事に演じてくれました」と説明し、チャン・ドンゴンの演技に太鼓判を押した。「ドンゴンさんには、リアリティな演技を引き出すために射撃の練習の他、銃による犠牲者の映像をたくさん見てもらい、人物像を認識してもらいました。たくさんの資料調査をして映画に臨みました」と、主人公の内面のリアリティさをとことん追求した様子。

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もちろん、アクションシーンも見どころのひとつ。「アパートでの銃撃シーンでは、スタッフが撮影に使うアパートに1カ月ほど住み込んで住民の理解を得ました。韓国も銃が規制されていますので、撮影自体とても難しく大変でした。また、ゴンがエレベーターの中で死んでゆくシーンの感情表現も苦労しましたし、(キム・ミニ演じる)モギョンが自分の娘の姿を映像で見て涙を流すシーンも、心血を注いだシーンです」と、撮影を振り返る。

これまで、“男性の映画”にこだわってきたのは?と問われると、「チャン・ドンゴンさんやウォンビンさんのようなハンサムな俳優さんを起用し、その人たちの魅力を最大限に生かしたいと思っています。出演していただいて本当に光栄」としながらも、どうして“男性”かと言うと、「実は、ちょっと女優さんが苦手なんですね(笑)。女優さんとは何を話して良いのかわからなくなってしまうのです。男同士なら楽ですしね・・・」と、シャイな姿を見せる一幕も。「もちろん、これからは機会があれば女優さんとも仕事がしたいと思っています」と笑った。

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シナリオを渡す前に一緒にお酒を飲み、話だけで「ぜひ、出演したい!」とチャン・ドンゴンを口説き落としたという、ジョンボム監督。「実は、ドンゴンさんと私は同じ時期に同じ学校に通っていたのです。当時すでにドンゴンさんは大スターでしたが、飾り気のない姿で他の学生とバスケットボールをしていて・・・。スターではなく子供のような笑顔が素敵でした。当時からぜひ一緒に仕事をしたいと思っていたんです」という縁をもつ、エピソードも。

「監督も映画を撮影しながら成長していくものです」と目を輝かせて語った監督の笑顔がとても印象的な会見だった。そんなイ・ジョンボムのカタルシスをスクリーンで感じてみるのも悪くない。

 

『泣く男』メイン写真

映画『泣く男』
【STORY
幼い頃にアメリカの砂漠に捨てられ、殺し屋に育てられたゴン(チャン・ドンゴン)ある日彼は、任務中に誤って幼い少女を撃ち殺すという、取り返しのつかないミスを犯してしまう。なんとか忘れようと酒に溺れるゴン。しかしその罪から逃れようともがくほど、葬り去ったはずの哀しい記憶が蘇ってくるのだった。そんな彼に組織から新たな暗殺命令が出る。これが最後の任務と決め、一度は捨てた故郷の地、ソウルに降りたつゴン。そこで彼らを待ち受けていたのは、哀しい因縁で結ばれた最後のターゲットと、硝煙と薬莢の嵐のような壮絶な死闘だった・・・

作品の紹介は >> こちら
公式サイト:http://nakuotoko.jp/
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10月18日(土)新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国ロードショー!