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松井玲奈、セリフ1つにもこだわり! 中島歩の意外な顔にショックも!? 映画『よだかの片想い』公開記念舞台挨拶

第34回東京国際映画祭/アジアの未来部門正式出品作品
直木賞作家 島本理生の傑作恋愛小説を映画化!

映画『よだかの片想い』

松井玲奈、中島歩、安川有果監督登壇
中島歩「心を鬼にしてやっていたので、許してください。」
松井玲奈が試写で観てショックを受けたシーンとは!

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2018年に『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞を受賞し、これまでにも『ナラタージュ』『Red』などの著作が映画化されてきた作家、島本理生の傑作恋愛小説『よだかの片想い』(集英社文庫刊)の映画化が決定し、2022年9月16日(金)より、新宿武蔵野館ほかで全国公開した。

本作のメガホンをとるのは、長編映画監督デビュー作の『Dressing Up』(12)で第14回TAMA NEW WAVEのグランプリや第25回日本映画プロフェッショナル大賞 新人監督賞を受賞した新鋭・安川有果。さらには、『性の劇薬』、『アルプススタンドのはしの方』(ともに20)の2作品で第42回ヨコハマ映画祭監督賞を受賞し、今年6月には今泉力哉監督(『愛がなんだ』『街の上で』など)とのコラボレーション企画として、互いに脚本を提供し合ってR15+指定のラブストーリーとなる劇場映画を監督する企画「L/R15(えるあーるじゅうご)」を発表するなど、脚本家としても精力的に活動する城定秀夫が今作の脚本を手掛けている。

主演は元々島本作品のファンであり念願叶っての映画化と主演を務めることになった松井玲奈。共演に『偶然と想像』(21/濱口竜介監督)などの話題作に出演する中島歩。映画は、遅い「初恋」を通して成長する女性の内面を瑞々しく描き、彼女が一歩前に踏み出すその姿は観る人の心をそっと押してくれるはず。恋愛映画だけど、恋愛だけじゃない。様々なものを抱えて日々を生きる全ての人の心に響く作品が完成した。

9月17日、シネ・リーブル池袋で、公開記念舞台挨拶が行われ、主演の松井玲奈、共演の中島歩、監督の安川有果が登壇した。

<イベントレポート>
映画上映後にステージに登壇した松井は、映画化を熱望していた本作がいよいよ公開となり「この作品を作るにあたって、たくさんの方が力を貸してくださいました。すごく時間が掛かって企画自体が止まってしまう、なくなってしまうかもしれない、ということもあったんですけど、その中でも映画の製作チームの方々が力を貸してくださって。撮影ができるところまでこぎつけてくださり、そこから撮影をして、劇場公開ができるところまでこぎつけてくださったことがすごくありがたかったので。わたしはその期待だったり、思いに応えたいという気持ちでした」と晴れやかな表情。

松井玲奈

登壇者3人はそれぞれ本作のエゴサーチをして、映画の感想に目を通しているという。「めちゃめちゃエゴサしています!」と笑顔で明かした松井も、「ちゃんとハッシュタグありの『よだかの片想い』も調べますし、ハッシュタグなしでも、引っかかるものが変わるので。両方ともちゃんと見ています」とキッパリ。「どれもすごくありがたいな、うれしいなと思っているので、みんなに“いいね”をしています」と明かし、会場を驚かせた。

島本理生ファンを公言する松井は、本作の原作にほれ込み、長らく映画化を熱望してきた。それゆえ、主人公アイコの役作りも、安川監督と意見をぶつけ合いながら作りあげたという。「もちろんわたしも原作は大好きなんですけど、なぜこのタイミングでこのセリフを言うんだろうと、分からなかった箇所があって。脚本の段階でさりげなくそのセリフをなくしていたんですけど、松井さんはパッと気付いて。『なんであのセリフがなくなったんですか?』ということはありました」と述懐。だが二人はそこからいろいろと話し合い、お互い納得の上で、そのセリフを戻すこととなったという。「結果的にそれがすごくすてきなシーンになったので。やはり原作を愛する松井さんのご意見を聞いて良かったなと思いました」という安川監督に対して、松井は「でもすごくうるさかったと思います。毎回オンラインでミーティングをしていたんですけど、毎回毎回最後の方に、何度も言っているんですけど、なんであのセリフがないんですかね? と言い続けて。今思い返すと、本当にうるさかったなと思います」と申し訳なさそうに振り返った。

中島歩

現場での二人は何でも言い合えるような関係性で撮影を進めていたというが、一方の中島はその様子を「僕は撮影の2週間ほど前に入ったので。ふーんという感じでした。ちょうど休憩時間だったんで、休憩しながらふたりのやりとりを見ていました」と笑いながら振り返るも、「ただ現場は本当にみんなで作っている感じがあって。本読みの時も、のっけから3人とも、思っていることをビシバシぶつけあって。それがすごい風通しがよくて。いい環境だなと思いましたね」と心地よさを感じていたという。

また印象に残ったシーンについて「試写を観てショックだなと思ったのが、(中島演じる)飛坂さんが、アイコが作った唐揚げを雑に食べていたところ」と振り返った松井は、「もちろんそれがお芝居なのは分かっていたけど、知らない瞬間にそういう顔をするんだと思って。ビックリしたシーンでした」とコメント。それに対して中島が「あそこは安川さんが適当にほおばってとおっしゃったんです。僕は性根の優しい男なので、そういうアイデアは出ないと思うんです」と釈明すると会場は大笑い。

すかさず「大丈夫です、だから余計に意外だったんだと思うんです」と松井がフォローを入れるも、「クランクインの前から、ふと出る冷たさとか、適当さ、モテてきたオラオラ感みたいなものみたいなものが出るような演出があったら、監督に言ってねと話したんですよね。それでそういう演出が入ったんです。僕自身は心苦しいなと思いながらやっていて。心を鬼にしてやっていたので、許してください」と頭を下げる中島の姿に、会場は大いに沸いた。

安川有果

そして最後のコメントを求められた中島は「昨日から始まって今日は2日目ですが、観ていただける方が多ければ多いほどロングランするので。もし気に入っていただければ薦めていただければ」と呼びかけると、続けて松井が「待ちに待った公開ということで、今日はこうして映画を受け取っていただけることができてうれしいなと感じています。皆さんの中で好きなシーンだったり、ここはどういうことだろうということがあればぜひSNSに感想として書いていただけたらうれしいなと思います」とメッセージ。

さらに安川監督が「この映画は顔にアザがある主人公の物語なんですが、それを特別視したというよりは、彼女の日常に寄り添うことを意識しました。何か難しく重いテーマを主人公に背負わせるのではなく、あくまで青春映画の要素があるのがいいんじゃないかと思い、脚本の城定秀夫さんと話し合って作った作品です。こういう作品にもちゃんとお客さんが入るといいなと思っています。感想を書いていただければ、松井さんからの“いいね”がもらえるかもしれないので、よろしくお願いします」と呼びかけた。

★“(not) HEROINE movies”=ノット・ヒロイン・ムービーズの第二弾公開作品!
本作は、『勝手にふるえてろ』(17/大九明子監督)、『寝ても覚めても』(18/濱口竜介監督)、『愛がなんだ』(19/今泉力哉監督)、『本気のしるし』(20/深田晃司監督)を手掛けてきたメ〜テレと、制作会社ダブ。本作は新進女優と次世代監督がタッグを組み、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト、“(not) HEROINE movies”=ノット・ヒロイン・ムービーズの第一弾公開作品として制作されました。

【あらすじ】
物語の主人公は、理系女子大生の前田アイコ(松井玲奈)。彼女の顔の左側にはアザがある。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから、状況は一変。本が映画化されることになり、友人の編集者・まりえ(織田梨沙)の紹介で、監督の飛坂逢太(中島歩)と会う。話をするうちに彼の人柄に惹かれ、作品にも感動するアイコ。飛坂への片想いを自覚してから、不器用に距離を縮めていくが、相手は仕事が第一で、女性にも不自由しないタイプ。アイコは飛坂への想いを募らせながら、自分のコンプレックスとも正面から向き合うことになる・・・。

原作:島本理生「よだかの片想い」(集英社文庫刊)
監督:安川有果
脚本:城定秀夫
出演:松井玲奈、中島歩
藤井美菜、織田梨沙、青木柚、手島実優、池田良、中澤梓佐 三宅弘城
企画協力:グリック、SPOTTEDPRODUCTIONS
制作プロダクション:ダブ
配給:ラビットハウス
公式HP:https://notheroinemovies.com/
公式Twitter:https://twitter.com/NotHeroineM
公式Instagram:https://www.instagram.com/notheroinem/
©島本理生/集英社 ©2021映画「よだかの片想い」製作委員会

【(not) HEROINE moviesとは】
『勝手にふるえてろ』『寝ても覚めても』『愛がなんだ』『本気のしるし』を手掛けたメ〜テレと、制作会社ダブがタッグを組み、“へたくそだけど私らしく生きる”、等身大の女性のリアルをつむぐ映画シリーズであり、次世代を担う映画監督と俳優たちを組み合わせ、それぞれの感覚と才能を思う存分発揮できる場を生み出し、輩出するプロジェクトです。何ドンもされない。胸キュンもしない。恋とか愛とか生きるとか自意識とか、考えすぎてこんがらがって。それでももがいて生きている“ヒロイン”になりきれない“ヒロイン”たちの物語。
第1弾「わたし達はおとな」(公開中)、第3弾「そばかす」(2022年12月16日公開)

新宿武蔵野館ほか全国公開中!