映画『ハルビン』のジャパンプレミアが、6月27日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、主演のヒョンビンと共演のリリー・フランキー、監督のウ・ミンホが登壇した。
本作は、1909年─祖国独立という使命を胸に命をかけて、中国・ハルビンへ向かった大韓義軍アン・ジュングン(安重根)と同志たちのアジアを震撼させた歴史的事件を現代の視点から再解釈した極上のサスペンス・アクション・エンターテイメント。
アン・ジュングン(安重根)をヒョンビンが演じ、パク・ジョンミン、チョ・ウジン、チョン・ヨビン、イ・ドンウク、そして特別出演のチョン・ウソンなど、韓国映画界の実力ある俳優たちが集結。さらに伊藤博文役をリリー・フランキーが扮した。監督は韓国現代史を描くヒットメーカー、ウ・ミンホ監督。ラトビア・モンゴルなど大規模な海外ロケーションを敢行して圧巻の映像世界を作り上げた。
また、第49回トロント国際映画祭GALAプレゼンテーション部門でワールドプレミア上映され、5月に開催された韓国唯一の総合芸術賞である「第61回百想芸術大賞」では映画部門にて最優秀作品賞、大賞(ホン・ギョンピョ撮影監督)を受賞し2冠を達成した。
映画のプロモーションでは19年ぶりの来日となったヒョンビンが登場すると、会場は割れんばかりの拍手と歓声で包まれた。「お会いできてとても嬉しく思ってます。今日は皆さんにとって良い思い出になってくだされば嬉しいです」と爽やかな笑顔で挨拶したヒョンビン。
韓国の公開から約6ヶ月が経ち、いよいよ日本では来週から公開となる本作だが、日本での公開を迎えることに、監督は「映画『ハルビン』は、日帝時代の物語です。日本での公開がとても大きな意味を持っていると思いますが、観てくださった皆さんがどのように感じてくださるのか、とても気になっていますしワクワクしています」とコメント。
ヒョンビンも「歴史的な事件を描いていますが、日本の観客の皆さんとこのようにお会いできるのは非常に感慨深いことだと思っています。観客の皆さんがどのようにこの映画を見てくださるのか、私も気になっています。そして少し緊張をしております」と心の内を吐露。
リリーは「昔の歴史を題材とした映画ですが、何よりもお互いの国でこのように上映されるということが一番平和の象徴なのかなと思います。そして何よりも興行映画として、皆さん楽しんでいただければ、この映画が一番良い姿になると思います」と語り、会場から拍手が送られた。
偶然書店でアン・ジュングンの書を手にとったことからこの映画制作が始まったという監督。出演を決めたきっかけを問われたヒョンビンは「監督のアン・ジュングンに対する思い、存在が大きかった。監督は常に一緒に意味のある映画を作ろうとおっしゃっているんです。監督を信じていい映画を作ろうと思いました」と答える。
リリーは「まず、素晴らしい脚本だなと思いましたし歴史云々という前に、面白い映画なんだろうなということ、あと監督の作品の大ファンなので。今まで監督のあの長編を僕はほとんど観ています。そして、もう僕に限らず、皆さんそうでしょうけど、ヒョンビンの作品はほとんど観ていたので。皆さんももうこのオファーが来たら断らなかったでしょう?」と、喜んで出演を受けたことを明かした。
厳しい環境下での撮影が続いたことに、リリーが「氷の上とか、酷くない?」とヒョンビンに声をかける。ヒョンビンは「監督からも十分な覚悟を持って臨むように言われていました。自然(の環境)が辛いというより、この時代にこのような思いだったんだと思うと、演技をする助けになりました」と、苦労もあったようだが、その環境に置かれたことを感謝する。
また、韓国には単身で向かったというリリー。「韓国では日本人は僕だけ。でも監督もヒョンビンもスタッフの皆さんも凄く優しくて頼もしい人たちでした」と語り、「あと、10人くらいでご飯を食べに行ったんですけど・・・」と言い「日本人は僕だけなので、ヒョンビンが隣に座ってくれたんです。韓国語が飛び交うなか、自分だけわからない状態に、ヒョンビンがテーブルの下でそっと僕の手の上に手を置いて『Are you OK?』って!」と続けると、会場からは悲鳴に似た驚きの声が。「あなた方、そんなことされてみなさいよ!」と興奮気味に話し、会場を沸かせた。
リリーの言葉に「本当ですか?」とMCから尋ねられたヒョンビンは「そうなんです。僕はリリーさんの大ファンなので、下心がありました(笑)」と返し、照れ笑いを浮かべていた。
さらに、ずばり!この映画の魅力を問われると、リリーは「歴史云々よりも面白い映画。映像も美しいしダイナミック。いい映画だと言ってもらえると思います」と胸を張る。
監督は「OTTの時代ですが、それとは差別化された劇場で体験する映画。いい未来が待っている映画だと思います」と。ヒョンビンは「まず、韓国の舞台挨拶にリリーさんが着てくださって、その時に日本でもこんなことがあったら一緒に行きましょう!という約束をしたんですが、今日その約束が果たせて良かったです」とニッコリ。そして、「一歩一歩、信念を持って進んでいけばいい未来頑張っているという希望を届けてくれる映画と言いたいです」と自信を持ってアピールしていた。
最後に監督が「普段のヒョンビンさんの姿とは違う姿を映画の中で見せてくださっています。つまり、アン・ジュングンに憑依した姿をこの映画の中で見せてくれたんです。そして私は、実はリリー・フランキーさんの大ファンです。現場でリリー・フランキーさんの演技を直接間近で見ることができてとても素敵な経験になりました。そして『ハルビン』におけるリリー・フランキーさんを見たときに、もうこれは伊藤博文さん以上存在感だと思いました。実物以上の表現をしてくださいましてこの場を借りて改めてお礼を伝えたいと思います」と、ヒョンビンとともにリリーを称えていた。
映画『ハルビン』
<あらすじ>
1909年10月、アン・ジュングン(安重根)と同志たちは伊藤博文を追ってある使命を果たすため中国・ハルビンへ向かった。そしてハルビン駅に銃声が鳴り響いた…。
1908年、咸鏡北道(ハムギョンブクト)シナ山で、安重根(アン・ジュングン)(ヒョンビン)率いる大韓義軍は劣勢にもかかわらず勇敢に戦い、日本軍に勝利を収める。万国公法に従って戦争捕虜たちを解放すると主張するアン・ジュングンに対し、イ・チャンソプ(イ・ドンウク)は激しく反論。結局、自らの兵を率いてその場を去ってしまう。その後、逃した捕虜たちから情報を得た日本軍の急襲を受け、部下たちを失ってしまったアン・ジュングンは、なんとかロシア・クラスキノの隠れ家に帰り着く。しかし、彼を迎えた同志たちの視線は厳しかった。1909年10月、日本の政治家である伊藤博文(リリー・フランキー)が大連からハルビンに向かうとの情報を得たアン・ジュングン。祖国の独立を踏みにじる「年老いた狼」を抹殺することこそが、亡くなった同志たちのために自分ができることだと確信した彼は、ウ・ドクスン(パク・ジョンミン)、キム・サンヒョン(チョ・ウジン)とともに大連行きの列車に乗るが、日本軍に察知されてしまう―
<作品概要>
製作:HIVE MEDIA CORP 『ソウルの春』
監督:ウ・ミンホ(『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ/内部者たち』)
脚本:キム・キョンチャン、ウ・ミンホ
撮影:ホン・ギョンピョ『パラサイト 半地下の家族』『ベイビーブローカー』
出演:ヒョンビン「愛の不時着」『コンフィデンシャル:国際共助捜査』、パク・ジョンミン『密輸 1970』
チョ・ウジン『インサイダーズ/内部者たち』、チョン・ヨビン「ヴィンチェンツォ」
パク・フン『ソウルの春』、ユ・ジェミョン「梨泰院クラス」、イ・ドンウク「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」
リリー・フランキー『万引き家族』、チョン・ウソン(特別出演)『ソウルの春』
2024年/韓国/114分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/映倫G/字幕翻訳:根本理恵
原題/하얼빈 HARBIN
韓国公開日 2024年12月24日
ⓒ 2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
提供:KADOKAWA Kプラス MOVIE WALKER PRESS KOREA
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
公式サイト harbin-movie.jp 公式X https://x.com/harbin_movie
7月4日(金)新宿ピカデリーほか全国公開