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間宮祥太朗、矢本悠馬の突然の涙に「嬉しかった」友人関係を超えた演技に石井杏奈も「響きました」と感動! 映画『破戒』初日舞台挨拶

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映画『破戒』の公開初日舞台挨拶が、7月8日、東京・丸の内TOEIにて行われ、主演の間宮祥太朗をはじめ、共演の石井杏奈、矢本悠馬と、前田和男監督が登壇した。

本作は、1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督が映画化した、島崎藤村の不朽の名作「破戒」を60 年の時を経て再び映画化。
主人公・丑松を間宮祥太朗が演じ、自らの出自に苦悩し、最後にはある告白をする姿を気迫溢れる演技で観る者を惹きつける。丑松に恋心を寄せつつも、なかなか思いを告げられない控えめな女性・志保を石井杏奈、悩める丑松を支える親友・土屋銀之助役を矢本悠馬。さらに、眞島秀和、高橋和也、竹中直人、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、大東駿介、小林綾子など日本映画界を代表する名優たちが顔を揃えた。脚本は加藤正人と木田紀生が担当し、監督は『発熱天使』や『みみをすます』の前田和男が務め、かつての名作を、2022 年の現代に届ける。

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公開を迎え、間宮は「自分にとってとても大事な役であり、重圧も感じていましたが、シンプルに“いい映画だな”と思える喜びを教えてくれた作品です」と自信を覗かせる。

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石井は「(間宮さんが)凄くいろんな思いを背負ってここに立たれているんだなと。本当にたくさん考えて演じられていたことを知ることができて、私も『破戒』への愛がもっと高まりました」と、間宮の思いを感じ、改めて本作への出演を喜んだ。

一方、プライベートでも間宮と友人関係にある矢本は「現場に友達がいるというやりづらい中で、こうやっていい芝居ができたということで、けっこう自己評価が高いと思います(笑)」とジョークを交えながらも充実感を滲ませた。

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この日は、上映後の舞台挨拶ということで、作品の内容にも踏み込んだトークを展開。矢本は、丑松が生徒に自身のことを告白するシーンについて言及し、「僕はあえて教室の外で待機して中を見ていなかったんです。中(教室内)の撮影が終わって僕の方にカメラが向くというところで、その現場と芝居の空気感の全てが良くて、思わず泣いちゃいました・・・」と告白。本当は泣くシーンではなかったそうだが、溢れる感情を押さえられなかったそうだ。

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そんな矢本に間宮は「あれは嬉しかったね」と返し、「銀之助に対しての丑松の思いと、自分の悠馬との関係性を含めて“お付き合い”という感じではなく、ちゃんと受けてほしいという思いがあったので」と述べつつも、「役どころでは泣かない方が良かったんですけどね・・・(笑)」と苦笑い。矢本は「そうなんだけどね。友達として、何かあった時には僕が助けに入る・・・という強い気持ちでいるつもりだったんですが、僕自身も、銀之助自身もあの空間に感動してしまった結果なので、お許しください」と笑った。

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その情景を見ていた監督は、「間宮さんと矢本さんの関係は、まさに丑松と銀之助の関係。どこまでがリアルで現実で、どこまでがフィクションなのかよくわからない状態だった。そして、志保と丑松の関係は微妙な距離感を保ちながら、その中でいい雰囲気を醸し出していました」と振り返る。石井も同じシーンに「凄く感動しました。見えない絆にグッときて響きました」とさらに、間宮は「子役の皆さんの演技に本当に助けられました」と感謝の気持ちを表した。

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また、時代背景から苦労もあったそうで、石井は「所作が本当に大変でした。正座をしたあとに立ち上がるときに使ったことのない筋肉を使って翌日筋肉痛になって(笑)」と述懐。矢本は当初、セリフに少し違和感を感じていたそうだが「最初は言い回しを変えてもらおうかと思ったんですが、いざ撮影に入るとその言葉が馴染んで、普段使わない言葉も楽しめました。いつもアドリブが多い役者ですが、今回は真面目にやりましたよ」と言って会場の笑いを誘う。

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間宮も「文学作品の実写化ということもあって、日本語の美しさは俳優がセリフとして吐くことでそこに生っぽさと言うか、リアリティーが出る。文字で見ると固く感じますが、その美しさも含んだ作品」と続け、矢本も「日本人だからでしょうか。意外とフィットしました」納得のセリフになっていた様子。

さらに、昨日が七夕だったことにちなみ、「もし願いが叶うとしたら?」と問いかけられると、監督は「この会場に島崎藤村先生がいて、この作品を観てくれたら」と。矢本は「娘の昨日の七夕の短冊に『キン肉マンに会いたい』と書かれていたので、会わせてあげたいなと。なんとか僕自身がキン肉マンになってね」と父親の顔を見せ目尻を下げる。

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石井は「旅行に行きたい。沖縄にいってキャンプしたいです」と屈託のない笑顔を見せると、間宮は「この映画の上映館が増えること!」と答え、会場から大きな拍手が送られる。そして、自分と丑松が少しだけリンクしているように感じるという間宮。「この映画を観た方の熱の後押しが大事な力になってくれると信じています」と観客にも声をかけ、本作のヒットを願っていた。

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『破戒』本ビジュアル

『破戒』
<ストーリー>
この戒めを破り、明日を生きる ――
瀬川丑松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。
彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱し、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。
友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。
猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自をカミングアウトすることができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。
丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った凶刃により命を落とす。
この事件がキッカケとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする。

キャスト:間宮祥太朗 石井杏奈 矢本悠馬 高橋和也 小林綾子 七瀬 公 ウーイェイよしたか(スマイル) 大東駿介
竹中直人 / 本田博太郎 / 田中要次  石橋蓮司  眞島秀和
企画・製作:全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
制作:東映株式会社
制作協力・配給/宣伝:東映ビデオ株式会社
制作プロダクション:東映株式会社京都撮影所 上映時間:119分
原作:島崎藤村『破戒』
脚本:加藤正人/木田紀生
監督:前田和男
音楽:かみむら周平
©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会

公式ウェブサイト http://hakai-movie.com/
公式Twitter:@hakai_movie
公式Facebook:@hakaimovie

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