映画『クリーピー 偽りの隣人』初日舞台挨拶が、6月18日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、主演の西島秀俊をはじめ、共演の竹内結子、香川照之、川口春奈、東出昌大、藤野涼子、戸田昌宏、馬場徹と、黒沢清監督が登壇した。
本作は、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作家・前川裕の小説「クリーピー」を原作に、名匠・黒沢清監督が映画化。元刑事で犯罪心理学者の男とその妻が、“奇妙な隣人”への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれていく恐怖を描く。“クリーピー”とは「ぞっとして身の毛がよだつような、気味が悪い」を意味する。
映画を見終わった観客を前に登場したキャストたち。会場の少し不穏な雰囲気を感じた西島は「みなさんが作品を堪能していただけたと、雰囲気から感じています」と満足そうに笑顔をみせ、「これまで色々と作品の宣伝をしていても、サスペンスなので話せないことばかりでしたが、こうしてみなさんと（作品について）共有できて嬉しいです」とニッコリ。
隣人が他人に成り代わるという作品にちなみ、「キャストの中で誰に成り代わりたい？」という質問に、西島は、「藤野さんです。16歳でしょ？みんなをフラットな視線で見ていると思う。何を見ているんだろう･･･。彼女の視線で世界を見てみたいですね」と答えた。
竹内は「私は東出さんかな。さっき控室で折り紙を折っていらっしゃって。スラットしたビジュアルからは想像できないことをして可愛らしい人だなと思いました」と。「鶴を折っていたんです」と恥ずかしそうに明かした東出は「僕は香川さんです。香川さんが話すと面白くて、みんなバッコンバッコン笑うし。お芝居でも、細かな動きを監督と話しながらやられていて、0.1秒のお芝居の世界、そのスピード感が凄いんです。どういう風に芝居の世界が見えているのか知りたいです」と羨望のまなざしを送った。
それを受けた香川は「変なおじさんですよ。何にも考えてないから(笑)。黒沢監督の現場は何も考えちゃいけないんだよね」とあっけらかん。そして、「僕は東出さんだな」と返す。「ここに視線があるんですよ～」と頭上を指差し、「手を伸ばしたら太陽とか届くでしょ？」と言うと、「ギリ届きます」と東出。「月も掴める？」と聞くと、「ええ、夜には」と絶妙なボケとツッコミをみせる。さらに香川は「お子さんを抱っこしたら、僕よりお子さんの目線のほうが高いんですよ。なんなら僕も含めて三つ子で抱っこしてくれないかな」と先日生まれた、東出の双子の赤ちゃんを引き合いに出して、笑いを誘った。
また、翌日は「父の日」とあって、西島と東出が新米パパになったことから、会場からは祝福の拍手が送られ、会場は一気にお祝いムードに。
藤野は、父の日に向けてMCから「お父さん役の香川さんはいかがでしたか？」とコメントを求められると、すかさず「あの人、お父さんじゃありません」と劇中でも使われたセリフを一言。「西野さんです」と続け、「（劇中で）西島さんのお宅で食事をするシーンがあるのですが、香川さんは『このセリフの時にはコレを食べて、このセリフの時はコレを食べる』、といった感じなんです」と、緻密な芝居に驚いたそう。
最後に西島が「全スタッフとキャストが全力で臨んだ映画です。2度3度観ていただけたら、緻密な作業がよりわかると思います。ぜひまた観てください」と挨拶。黒沢監督は、「クリーピー･･･気味悪さを楽しんでいただけて嬉しいです。帰りは外の空気を吸ってスッキリしてくださいね。でも夜、寝るときに、枕元に香川さんが立っているかもしれませんのでご注意を」と会場を沸かし、舞台挨拶を終了した。
『クリーピー 偽りの隣人』
【STORY】
未解決の一家失踪事件×奇妙な隣人家族。犯罪心理学者が迷い込んだ、２つの≪謎≫に隠された真実とは―？
犯罪心理学者の高倉は、刑事・野上から６年前に起きた一家失踪事件の分析を頼まれる。しかし事件唯一の生き残りである長女・早紀の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。一方、高倉が愛する妻・康子と共に最近引っ越した新居の隣人は、どこか奇妙な家族だった。病弱な妻と中学生の娘・澪をもつ主人・西野との何気ない会話に翻弄され、困惑する高倉夫妻。そしてある日、澪が告げた言葉に、高倉は驚愕する。「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」未解決の一家失踪事件と、隣人一家の不可解な関係。２つの繋がりに高倉が気付いた時、康子の身に【深い闇】が迫っていた…。
出演：西島秀俊 竹内結子 川口春奈 東出昌大 香川照之 藤野涼子
監督：黒沢清
原作：「クリーピ」前川 裕（光文社庫刊）
脚本：黒沢 清、池田千尋
音楽：羽深由理
配給：松竹、アスミックエース
©2016「クリーピー」製作委員会
公式サイト：http://creepy.asmik-ace.co.jp/
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