映画『母性』の初日舞台挨拶11月23日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、キャストの戸田恵梨香、永野芽郁と、原作者の湊かなえと、廣木隆一監督が登壇した。
ベストセラー小説家・湊かなえの大ヒット作品「母性」を実写映画化。女子高生の死をきっかけに事件の真相に迫るミステリーで、母と娘の視点が交錯して描かれていく。母親のルミ子を戸田恵梨香、娘の清佳を永野芽郁が演じ、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオら個性豊かな実力派俳優陣が脇を固める。
公開を迎え、戸田は「いつの間に（公開が）始まったんだ？･･･という、あれよあれよという間にこの日が来た感じがします」と笑顔を見せつつ、「この作品を観て、『この作品って何なんだろう』と不思議になりました。これまでの作品は役を通して観たり、いち視聴者として観ることはありましたが、（本作は）世代や性別のよって観かたが違う、こんなに興味深い作品はないと思います」と感慨深げに語った。
永野も「戸田さんと初めてお会いしたのがこの作品だったので、今日はその時のことを思い出していたんですが、あっという間のようであり、ちょっと時間がかかったような不思議な感覚があって、いつもの作品を迎える時の初日とは違う感じがします」と、公開を喜びながら素直な気持ちを吐露。
キャストの演技はもちろんのこと、公開前から海外の賞レースに参加するなど、演出にも注目が集まる本作だが、廣木監督は「僕はほとんど見ているだけ。それぞれの目線が変わるところが面白くて。2人の演技をずっと見ていられるんです」と、戸田たちに絶対的な信頼感をのぞかせる。
原作者の湊は「私が物語を書いているときも頭に映像が浮かんでいるんですが、映画を観て、あらためてお二人に教えてもらった感じがしました。テロップなど出てないのに、今のルミ子、今の清佳の気持ちや視線を見ていました。涙の出かたが一緒なのに表情が違うんです！それって凄いことだなと。（自分の頭の中にあった映像は）全て上書きされて、全部忘れました」と二人を絶賛。思わず「恐縮です！」と笑顔を見せる戸田だった。
それでも、戸田は「反省点があるんです」と言い出し、「（清佳を）『愛してる』っと言って抱きしめるシーンの表情は間違っていたなと。笑顔で清佳を抱きしめるべきだったんじゃないかなと」と告白。その答えを湊に求めると、湊は「これが最善の行動なのかは、自分の母親がいての母だったら･･･というところからきているので、ルミ子が母（役）の大地さんの笑顔を浮かべて（笑顔になるのも）そうだと思うし、ルミ子が『愛してるんだ』という気持ちに辿り着いた感じもある。私は（戸田の）その『愛してる』の奥に大地さんが見えましたよ」と答え、戸田を納得させていた。
本作が親子の関係を描いていることにちなみ、「自分はどんな母親になりたいか？」と問われると、戸田は「大地さん（演じる母）を見ていて、いつも笑顔でいるお母さんはやっぱり素敵だなと。そのためには心のゆとりがあって、穏やかな家庭を築きたいと思いました」と優しく微笑む。
永野は「私はまだまったくイメージができませんが、自分が母と仲がいいので、いいことも悪いことも共有できる母になりたいなと思います」と自身の母親とイメージを重ねていた。
最後に戸田が「この映画は面白いとか、楽しいというものではありませんが、今まで気づかなかったことにハッとさせられる作品です。母になる人、母として過ごしてきた人が思い返し、娘の自分をどう見ているか･･･、自分自身を振り返って前を向いて行ってもらえたら、そんな皆さんの力になれたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
＜STORY＞
女子高生が自ら命を絶った。その真相は不明。事件は、なぜ起きたのか？
普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母と、愛されたい娘。
同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく…
母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」—２つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。
母性に狂わされたのは母か？娘か？・・・この物語は、すべてを目撃する観客＝【あなたの証言】で完成する。
戸田恵梨香 永野芽郁
三浦誠己 中村ゆり 山下リオ
高畑淳子 大地真央
原作 : 湊かなえ『母性』（新潮文庫刊）
監督：廣木隆一
脚本：堀泉杏
音楽：コトリンゴ
製作：映画「母性」製作委員会
配給：ワーナー・ブラザース映画
©2022映画「母性」製作委員会
公式HP：https://wwws.warnerbros.co.jp/bosei/
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