TVアニメ「抱かれたい男1位に脅されています。」の劇中劇、「紅葉鬼」が6月28日（金）に、東京・品川プリンスホテル クラブeXにて幕を開けた。前日に、陳内将（経若／西條高人 役）、菊池修司（繁貞／綾木千広 役）、演出の町田慎吾が登壇した囲み取材とゲネプロが行われた。
菊池修司 陳内将 町田慎吾
原作は桜日梯子の 「抱かれたい男１位に脅されています。」に描かれた劇中劇。まだその全貌を誰も知らない物語が、新しく舞台となって生み出された。本作が初演出となる町田慎吾が演出を、葛木 英が脚本を手がけた。
【囲み取材】
―初日を明日に控える今の心境を教えてください。
陳内：まだ何もなかった稽古場から稽古が進みセットができ、場当たりを経て「ああ、これが町田さんが作りたかった世界なんだ』と実感しています。
原作の中で「紅葉鬼」が描かれるのは本当にわずかですが、プロデューサー、脚本の葛木さん、演出の町田さんほか皆さんで一つの台本に作り上げてくださいました。「オリジナルのストレートプレイをみなさんと共に作れたのでは」と僕個人として思っています。そして、この客席に囲まれた舞台の上で、さらにお客様と一緒に作り上げていけたらと思っております。
菊池：お客様に楽しんでもらいたいという思いから、僕ももがき苦しみながら、ひとりひとりが全力で1か月ほど稽古をやってきました。この作品は原作の先生が描いてくださり、アニメになり、魂がすでに宿ったものを僕らがまた演じさせてもらえる。これはこの作品の強みだと思っています。原作やアニメをご覧になっている方々にも、また別の方向から「僕らのつくる『紅葉鬼』はこういうものだよ」と披露できるのは、僕自身とてもワクワクしています。
僕らがこうして舞台に立てるのは、想像以上に色んな方々の力をお借りして、その方々の思いを形にできているのがとても嬉しく思っています。原作の関係者、舞台のスタッフ・関係者のお力で、僕はこうして繁貞として生きることができています。感謝の気持ちと共に繁貞として生き抜いていきたいと思います。
360度に近い舞台で、いろいろな表情を見ていただけます。一ヶ月間の稽古にひとつの嘘も無かったと思います。ひとつひとつ、みんなで作り上げたものを、怪我無く安全第一でお客様に届けたいという強い志で明日を迎えようと思っています。」
陳内：もう一つ。舞台『紅葉鬼』ってどんなものだろうと、皆さん思われているかと思い ますが、観終わった後に「ああ、これが紅葉鬼だったんだ」って言って欲しいですし、 僕らは「これが紅葉鬼だ」と自信を持って演じます。
町田：僕自身、初めての演出ということで、すごくドキドキして始まりました。スタッフの皆も役者の皆も本当に素晴らしく、ひとつ一つをみんなで作ったんだと感じています。
稽古場では不安だったものが、劇場に入って、やはりドキドキしていますが、これは最初のドキドキとは違う、ワクワクになっています。
「紅葉鬼」という作品は劇中劇の作品で（原作でもアニメでも一部しか描かれていないので）観客のみなさまはどんなお話か、誰も全部を知らないで劇場においでになると思います。そんな観客の心に“ガツン”とくる作品にしたいなと思い作ってきました。この劇場ならではの見せ方などもたくさんしていますので、ぜひ楽しみしていただければと思います。
―キャストのお二人はお互いの印象と、町田さんからは演出家から見たお二人の印象をお聞かせください。
菊池：僕は陳内さんとは、役者人生二本目で、同じ作品に出演していました。トリプルキャストで、舞台上では一緒になることはなかったんですが、稽古場で、当時僕は台本の読み方や役づくりなどの基礎もよくわからない状態だったのを、陳内さんはじめ先輩方にお世話になりました。
それから3年。陣内さんが隣にいることも不思議な気がしますが、それが糧にもなっています。3年を経て陣内さんの目に映る僕が、3年前よりいいものになっているといいなと思って、今回はやらせて頂きました。打ち上げでどうだったか聞いてみたいと思います。
陳内：え、俺ここで言っちゃだめなの？
菊池：陳内さんの目にどう映ったかは打ち上げまでとっておいてください。印象だけでお願いします。
陳内：そうですねえ（笑）。今回のビジュアル撮影の時に話しかけてきた感じも時間を感じさせない人懐っこい、彼独特の感じが変わってなくて安心しました。時代ものも殺陣もやったことがないということでしたが、日に日に殺陣が板についていく、たくましくなる繁貞を見てうれしくもあり「また俺も負けないで頑張ろう」と思えました。
町田 「菊池くんはまっすぐな演技、感情のままの演技をします。陳内くんはお芝居に包容
力がすごくあって、台本を深いところまで読み込んで、その上で考えて演技をしてくれます。菊池くんも考えて、まっすぐ出してくる。二人とも本当に経若と繁貞という役にぴったりで、笑顔が可愛くて。初めて演出をする作品でこの二人と一緒になれてとても光栄に思っています。
―役作りをするときに気を付けた点は？
陳内：原作にもアニメにも『紅葉鬼』の何シーンか、経若の登場する場面が描かれていますが、それ以外の場面が舞台ではほとんどです。戯曲としての『紅葉鬼』をしっかり読み込んだ上で、原作ファンの方から「あのシーンの経若だ」「でも、他のシーンはなんだか違う…」と思われないように（原作、戯曲の）どちらにも振り切りすぎないよう、形だけで入ってしまわないよう気をつけました。
菊池：『紅葉鬼』という原作へのリスペクトを持ちつつも、僕らなりのお芝居をしようという想いがあり、それは言葉にしなくてもつながっているように感じられます。一人ひとりが目の前で起こる出来事に素直に反応してお芝居をしてみようとやってきたので、最初の一週間は原作の繁貞や経若を大事にしながら、後の二週間は目の前に起こることに素直に反応して、ぶつけ合って今まで来ました。
―今回の円形の特殊な舞台ですが、演出でこだわった部分は？
町田：この劇場ならではということで、舞台上も客席側もたくさん使います。キャストの皆さんには大変な思いをさせてしまいますが、その方が分臨場感が出せます。殺陣の多い作品なので、この近い距離で熱量を感じていただきたいと思っています。
キャストにも「嘘をつかず、心で演技して欲しい、ただし怪我には絶対気を付けて」と言っています。「お客様が見たときに、心がふるえるような舞台にしたい」と思って演出したつもりです。
【ゲネプロ】（結末等にはふれておりませんが、部分的にネタバレを含みますので、ご注意ください）
物語は平安時代。鬼と人間の争いが激しくなる中、帝は鬼の頭領・呉葉と逢瀬を重ね、子を成した。だが、その子は鬼と人間の和平のために種族共存の証として、呉葉の手元を離れ帝の元へ、そして帝の子が呉葉の元におくられた。
4年後。
陰陽家により帝と朝廷は牛耳られ、呉葉は彼女を母と慕う帝の子・経若の目の前で、殺されてしまい、鬼と人間の和平は破られてしまう。
時は流れて、13年後。
鬼と人間の争いが激しさを増す中、経若は鬼の頭領となっていた。
そして、帝が引き取った赤子・繁貞は、都を護衛する武士・維繁の息子として心優しき、だが確かな剣の腕を持つ武士となっていた。
登場するのは、 経若と繁貞と 深い絆で結ばれた個性豊かなキャラクターたち。
鬼 熊武（くまたけ） おまん 伊賀
朝廷には陰陽家・摩爬（左）
そして、運命が経若と繁貞を引き合わせた時、また大きな歯車が動き出す…。
客席が円形舞台の3方向を包み込み、映像と照明の魔術が、観客を平安の時代へと誘います。
客席すれすれの舞台上での迫真の殺陣、客席脇を縦横無人に駆け抜けるキャストたち。
迫力満点のアクションと熱い演技に引き込まれ、時代を超えた熱い感動に心揺さぶられます。
舞台「紅葉鬼」
日程：2019年6月28日（金）～7月7日（日）
会場：品川プリンスホテル クラブeX 東京都港区高輪4-10-30
スタッフ
原作：桜日梯子 「抱かれたい男１位に脅されています。」
（月刊マガジンビーボーイ連載／リブレ刊）
演出：町田慎吾
脚本：葛木 英
出演：
西條高人／経若 陳内 将
綾木千広／繁貞 菊池修司
帝 山﨑晶吾
伊賀 中村太郎
頼正 鐘ヶ江 洸
熊武 髙木 俊
呉葉 小野川 晶
おまん 鎌田英怜奈
殺陣衆 細川晃弘
白崎誠也
久田悠貴
坂本和基
福田圭佑
榮 桃太郎
摩爬 富田 翔
制作：トライフルエンターテインメント
主催：アニプレックス ネルケプランニング トライフルエンターテインメント イープラス
公演に関するお問い合わせ：トライフルエンターテインメント info@trifle-stage.com
舞台公式サイト：https://kouyouki.com/ 公式Twitter: @kouyouki_b
