ブラッド・ピットが、主演と製作総指揮を務めた最新作映画『フューリー』の日本公開（11月28日）を記念し、共演のローガン・ラーマンと来日。11月15日、都内にて記者会見を行った。
本作は、第二次世界大戦末期を舞台に、“フューリー”（＝激しい怒り）と名付けられた戦車に乗り、たった5人で300人のドイツ軍に挑んだ米軍兵士の壮絶な1日を描くヒューマン戦争ドラマ。“フューリー”の指揮官ウォーダディーをブラッド・ピット、新兵ノーマンをローガン・ラーマンが熱演。リアリティあふれる戦闘シーンのなか、5人の熱い絆と人間模様を圧倒的な臨場感をもって体現している。
『ワールド･ウォーZ』以来、1年3カ月ぶり10度目の来日となったブラッド・ピットは、「日本に来るたびにいつも驚きがある。写真をたくさん撮って子どもたちに送っています。子どもたちも日本が大好きで、『こういうおもちゃを買ってきて』と頼まれているんですよ」と嬉しそうに目尻をさげた。
ローガン・ラーマンは、「日本に来られてラッキー。3度目になりますが、最初の来日で恋におちた。こんなにエネルギーに溢れインスピレーションを与えてくれる国はない。」と来日を喜んでいた。
編集の段階から何百回も作品を見ているというブラッドは、「生々しく、臨場感があって、まるで兵士として戦争を体験しているような映画になった。兵士の過酷の状況が現すことができた。これは普遍的な作品」と、納得のいく出来栄えに満足げな笑顔を見せる。ローガンも、「ここまで夢中になって作った作品はない。全く遊びにも行くこともなく、仕事しっぱなしで100％力を注いで臨みました。こんなに誇りをもてる映画は他にないです」と胸を張った。
狭い戦車の中での撮影はかなり大変だったようだが、「もちろん、戦車は人間の済むようにはできていない。音もうるさいし、狭い空間のなかに5人の男がいるんだから、とにかく臭い(笑)」と笑いを誘いつつ、「それでも、トレーニングを受けて慣れてくると、ここに身を置くと楽だとか、コーヒーはここに置けばこぼれない等の知恵が出てくるんだけれど、実際の兵士たちの苦労をつくづく感じさせられましたね」と振り返るブラッド。撮影前の合宿はとにかく過酷だったようで、「あのブートキャンプでみんなが一つの家族となっていくプロセスを作った。睡眠時間も削り肉体的にも厳しく、お互いが助け合わないとタスクをこなせない。カプチーノも携帯電話も取り上げられて･･･最悪だった(笑)。1週間で日常のありがたみがわかったよ。みんなも1年に1度は経験してみたらいいですよ(笑)」と笑い飛ばした。
本作の魅力について、「4カ月にも及ぶ過酷なトレーニングを積んで撮影し、みんな家族のようになった。兄弟のような絆を結ぶことができたんです。ウォーダディーのリーダーシップを見てほしい。激戦のなかで厳しく、確信をもって素早く決断しなければいけない。迷うことがあっても、リーダーは部下の前では決して弱さを見せてはいけない。そういう精神的な意味でもリーダーシップという題材が面白かった。難しい決断も愛情をもって下す男として描かれています」とコメント。
実戦経験もなくいきなり戦場に投げ出され、1日で変身を遂げる難しい役に体当たりしたローガンは、「脚本を読んだ時から難しい役だと思った。ストーリー全体を感じながら、要所要所をつかんでノーマンの変化を演じました」と明かし、「劇中でも新人扱い、現場でも新人で大変でした(笑)」と屈託ない笑顔を振りまき会場を沸かすと、ブラッドが「本当に彼の役が一番大変だったと思います。週末に街に出てパーティーすることもないような状況で彼はそれに耐え、逆に私たちに挑戦して来ることもありましたよ」と称えた。
劇中でウォーダディーが発する「理想は平和だが、歴史は残酷だ」という印象的なセリフは、もともと脚本にはなかったという。「退役軍人のインタビューで実際に聞いた言葉なんです。戦場は殺すか殺されるか。日常のルールや私たちが理想としていることは戦場では通用しない。戦争のおろかさや矛盾を表している大事なセリフです」と、真剣な面持ちで語った。
フォトセッションの際には、ブラッドがローガンを強く抱きしめ頭にキスをする場面も。和気あいあいとした雰囲気のなか、作品に対する想いを熱く語ってくれた会見となった。
『フューリー』
＜STORY＞
1945年４月、戦車“フューリー”を駆るウォーダディー（ブラッド・ピット）のチームに、戦闘経験の一切ない新兵ノーマン（ローガン・ラーマン）が配置された。新人のノーマンは、想像をはるかに超えた戦場の凄惨な現実を目の当たりにしていく。やがて行く先々に隠れ潜むドイツ軍の奇襲を切り抜け進軍する“フューリー”の乗員たちは、世界最強の独・ティーガー戦車との死闘、さらには敵の精鋭部隊300人をたった5人で迎え撃つという、絶望的なミッションに身を投じていくのだった……。
製作総指揮：ブラッド・ピット
脚本・監督：デヴィッド・エアー
出演：ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル
配給：KADOKAWA
コピーライト ： © Norman Licensing, LLC 2014
公式サイト：http://fury-movie.jp/
11月28日(金) TOHOシネマズ 日劇他全国超拡大ロードショー
